HPVワクチン最近の動向(目黒区の取り組み)
2026.09.25
HPV(ヒトパピローマウィルス)ワクチンについてご存じでしょうか?令和8年4月に目黒区立小学校6年生、中学1年生から3年生の生徒さんにHPVワクチンのパンフレットをお配りし、情報提供いたしました。
HPVワクチンは以前、子宮頸がんワクチンとも呼ばれていました。わかってきたこととして、HPVは男女共に感染する可能性のあるウィルスで、200種類以上の型があるとされています。報告によると男性の91.3%、女性の84.6%が生涯のうちに一度は何らかのHPVに感染すると言われています。主に性交渉によって粘膜に感染することで、肛門がん、咽頭がん、陰茎がんや子宮頸がん、性器にできるイボ(尖圭コンジローマ)などの病気の原因になることがあります。女性特有の子宮頸がんは、毎年10000人がかかり、約2900人が亡くなっています。肛門がんは毎年約1000人が、尖圭コンジローマは約77600人が新たに診断されています。HPVに感染しても、多くの場合は免疫力によってウィルスが体から追い出されます。しかし、この機能がうまく働かずに長い間感染が続いた場合には、数年かけてがんになることがあります。
HPVへの感染やHPVが原因となるがんや病気の予防には、HPVワクチン接種が大切です。世界では162の国と地域で公費による助成が導入されています。一部の先進国(カナダ、オーストラリア、イギリス、アメリカなど)では、男女共に70%以上の接種率を達成しており、子宮頸がんの人数は年々減少しています。一方、日本ではHPVワクチン接種による副反応の問題から平成25年6月14日付け厚生労働省通知に基づき、HPVワクチン接種の積極的勧奨を控えることになり、平成28年のHPVワクチン年間接種人数は1834人にとどまりました。日本は積極的勧奨を控えていた期間中に世界有数の子宮頸がん大国になっています。近年、HPVワクチン接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ることが確認されたため、日本では令和4年4月から積極的勧奨を再開しました。令和5年のHPVワクチン年間接種人数は320374人まで増加しました。
目黒区では令和8年度から小学校6年生から高校1年生に相当の年齢の男女にHPVワクチンを無料で行っています。女子はシルガード9(HPV6型、11型、16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型)のみ定期接種の対象です。シルガード9はHPV感染を予防し、子宮頸がんの原因のおよそ90%を防ぐ効果が期待されるワクチンです。基本は3回接種ですが、15歳になる前に1回目の接種を受ける場合は2回接種で終わりますから、標準的には中学1年生時の接種がお勧めです。該当する方には目黒区役所から予診票が届きます。
男子は接種により、咽頭がん、肛門癌、陰茎がん、尖圭コンジローマの予防が期待できます。また、男子もワクチンを接種することで、性交渉によるHPV感染を女性から守り、子宮頸がん予防につながると期待されます。男子はガーダシル(HPV6型、11型、16型、18型)に加え、令和8年度から女子と同じシルガード9が追加されました。ガーダシルは3回接種、シルガード9は15歳になる前に1回目の接種を受ける場合は2回接種で終了します。男子は任意接種になるため、予診票は目黒区内の契約医療機関に設置しています。
HPVワクチン接種による注意点や副反応などのご相談は目黒区HPVワクチン接種登録医療機関にお問い合わせください。
がんを予防できるワクチンとして、健康を維持するために必要なものの1つにお考え下されば幸いです。
(M.R記)




